TIPコラム

地震の大きさカインとは

2020.06.09

地震の大きさを表す単位には、震度、ガル(gal)、カイン(kine)、マグニチュード(M)、の4つの単位がよく用いられています。同じ地震でもそれぞれの単位で表せますが、表している内容が違います。この4つの中で震度、ガル、カインは観測しているその地点での地震の揺れ方(地震動)の大きさを表しています。一方、マグニチュードは地震そのものの規模を表しています。

実際の建物が受ける地震動の大きさは、地震の状況をおおまかに示した震度ではなくて、ガル、カインで表すことが一般的です。

[カイン] 

カインとは地震の強さを揺れの速度で表すもので、1カイン(cm/s)は1秒間に1センチメートル動いたことを意味する。1kine=1cm/s

自動車の発進にたとえると、同じ加速度でも、言い換えれば同じようにアクセルを踏んでも、どのくらいの時間アクセルを踏み続けたかで、速度や移動距離が変わって来ます。建物に加わる地震動でも、同様に、最大加速度が同じ地震動であっても、加速度の継続時間などによって速度に違いが生じます。建物にとっても地震動の速度が重要になりますので、この速度の最大値で地震動を表わします。

地震が建物に与える影響を考えるときは、カインを用いるケースが多くなっています。実際に、ガルの大きさよりもカインの大きさの方が建物の被害状況と一致するとされています。

[ガル] 

ガル(gal)は地震の加速度を表している。1秒間にどれだけ地震動の速度が変化したかを示すもの。1gal=1cm/s2

自動車が発進する時に、ある大きさの速度に達するまでの時間が短かければ短いほど大きな加速度が加わります。急発進をすると座席に強く押し付けられるように感じられるのはこの加速度の仕業です。地震があると、地面の揺れよって建物や人に加速度が働きます。この作用した加速度の最大値を使って地震動の大きさを表わします。

(地上で物体が自由落下した時の加速度(980gal)を1G)

[震度]

ある観測場所における地震による揺れの強さを表す単位。

気象庁の震度階級は「震度0」「震度1」「震度2」「震度3」「震度4」「震度5弱」「震度5強」「震度6弱」「震度6強」「震度7」の10階級

[マグニチュード]

マグニチュードは地震の規模(エネルギーの大きさ)を表す

【参考:日本建築構造技術者協会(JSCA)HP他】