実験の裏付け2019

近畿職業能力開発大学校での面内せん断試験結果報告(2019年)

令和元年11月、近畿職業能力開発大学校(大阪府岸和田市)においてTIP構法45×90筋かい入り1P耐力壁の面内せん断試験を行いました。
TIP構法は筋かいと併用する為、筋かいには方向性があり、その方向性の違いによる性能の比較、検証を行いました。
結果として、引張筋かいの場合で短期基準せん断耐力P0=7.6kN(壁倍率4.3相当※1)、圧縮筋かいの場合でP0=9.4kN(壁倍率5.3相当※1)となりました。
※1 上記の壁倍率の値は、低減係数α=1.0として算出した参考値です。


試験体Ⅰ(引張)

試験体Ⅱ(圧縮)


試験体Ⅰ 繰り返し履歴と包絡線

試験体Ⅱ 繰り返し履歴と包絡線

モーションキャプキャーによる軸組変形の解析画像


試験体Ⅰ 1/450rad

試験体1 1/450rad

試験体Ⅱ 1/450rad

試験体Ⅱ 1/15rad

今回のTIP構法筋かい入り耐震壁と、筋かい、面材との比較グラフです。
今までなぜ大地震が起きてもTIP構法住宅の被害が少なかったのか。
それは、荷重と変位のグラフを見てもわかるように、TIP構法の粘り強さが、住宅の被害を抑えたと考えられます。
筋かいと面材は、一定の変位を超えると耐力が低下していましたが、TIP構法は変位が増加すると荷重も上昇しているのがわかります。TIP構法は住宅に粘り強さを与えることができる耐力壁です。